高度情報教育基盤ユニット(iEdu)

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情報と社会

授業の概要・目的

ITが社会の隅々まで浸透する現代において,情報と社会の全体像を理解することが不可欠になっている.本科目では,デジタル時代の社会に求められる,ITとその社会・企業における活用について総合的に学ぶ.
講義は5部から構成される.Iの「イントロダクション」では,社会や企業におけるITの役割とデジタル変革による価値創造やその思考法を学ぶ.IIの「事例研究」では,日本を代表する企業からゲスト講師を招き,各産業におけるITの活用の最前線を学ぶ.IIIの「ITとビジネス」では,企業の経営戦略におけるIT戦略の意味を学んだ上で,業務とITについて企画・設計・管理・ガバナンスという視点から全体像を習得する.IV「ITを取り巻く環境」では,セキュリティや法務についての理解を深め,V「未来に向けて」では,最新のIT技術動向とIT経営の要点を学んだ上で,デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略策定を疑似体験する.
本科目は「情報学ビジネス実践講座※」の俯瞰的な基礎科目となっている.

「情報学ビジネス実践講座」
京都大学と協力企業(ANA・ANAシステムズ,NTTデータ,DMG森精機,東京海上日動火災保険・東京海上日動システムズ,三井住友フィナンシャルグループ・日本総合研究所,日本電気)が,デジタル時代の社会で活躍するために,ITとそのビジネスへの活用を実践的に学べる場を提供することを目的に設立した産学共同講座.詳細は講座ホームページ(https://www.project.gsm.kyoto-u.ac.jp/pib/)参照

到達目標

・ITが高度に発展し,現代社会に深く浸透していることを認識したうえで,各産業におけるIT活用の特徴が理解できるようになる.
・企業経営においてITを適切に活用するための戦略や組織的な仕組み,さらにはデジタルトランスフォーメーション(DX)の本質について理解できるようになる.
・業務においてITシステムの実現に必要な企画力を養うために,具体的な設計プロセスやセキュリティ,ITを取り巻く法的課題を実践的に理解できるようになる.

授業計画と内容

I【イントロダクション】(藤田・前川)
第1回:ITの発展と社会・企業への浸透
第2回:デジタルトランスフォーメーション
第3回:デザイン思考(NTTデータ)

ITがいかに社会に浸透してきたのかその歴史を振り返るとともに,近年広がりを見せるデジタルトランスフォーメーション(DX)を説明し,企業におけるITの役割と新たな価値創造について学ぶ.さらに,ユーザ視点からビジネス上の課題を見つけ,解決策を考える手法である「デザイン思考」を学ぶ.

II【事例研究】(藤田・前川)
第4回:各産業におけるIT(ANAシステムズ)
第5回:DMG森精機
第6回:東京海上日動火災保険

企業が実際にどのようにITを活用しているのか,航空業,工作機械業,金融(保険)業を取り上げて,それぞれIT活用の歴史と全体像や今後の展望を説明する.

III【ITとビジネス】(藤田・前川)
第7回:IT戦略
第8回:IT企画
第9回:ITシステムの開発とプロジェクトマネジメント(日本総合研究所)
第10回:ITガバナンス

まず,企業の経営戦略を実現するIT戦略の役割や業務におけるIT企画の手法と意思決定における考慮点について学ぶ.次に,ITシステムの仕組みとその開発プロセスについて全体像を把握するとともに,その中でも特に重要な,ITシステムで実現する業務要件の定義を解説する.さらに,ITシステム構築に欠かせないプロジェクトマネジメントを演習も交えて学習する.最後に,企業がITを適切に活用するためのガバナンス(統治の仕組み)について学ぶ.

IV【ITを取り巻く環境】(藤田・前川)
第11回:情報セキュリティ(日本総合研究所)
第12回:ITと法(日本総合研究所)
情報セキュリティに関する攻撃手法やその対策などについて,事例を交えて概説する.ITに関わる法務について,ITシステム構築の契約体系とその課題,データ保護制度と違法有害情報の規制,AI時代の法的課題を取り扱う.

V【未来に向けて】(藤田・前川)
第13回:ITの技術革新(日本電気)
第14回:経営とIT(日本総合研究所)
第15回:フィードバック
最近のITの技術革新動向を概観し,経営者の視点を通じてIT経営の要点を学んだ上で,グループごとにDXによる新事業・新サービスを発表し,検討する.
タイトル横に括弧書きで企業名があるものは「情報学ビジネス実践講座」の当該協力企業よりゲスト講師を予定.

履修要件

工学部情報学科の学生は,神田・田島・吉川が担当する「情報と社会」を履修すること. 受講に際し情報や IT に関する特別の知識は必須ではない.

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